ソフトバンクの真の姿。-荒れ狂う投資家集団に学ぶ企業活動-

 

sa-2
こんにちは。

sa-2(@sa2fdi)と申します。

 

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近年、ソフトバンクの勢いが止まりません。投資家としての孫社長は様々な評価に分かれますが、日本でこれだけ挑戦し続けている企業は他にそう見つかるものではありません。毎度世間を驚かすソフトバンクの、1つ1つの投資案件を見ていくことで、企業活動の流れを学びたいと思います。

確かに本業としての携帯・通信事業で利益を安定して出してはいますが、ソフトバンクの本質はここにはないと考えております。常に先を見据えて、大きなリスクをとって投資活動を続けていくソフトバンクの、過去の主要投資案件を見ていきます。

 

アリババ買収/IPO投資

アリババ買収。これがソフトバンクの利益追求モデルを形にした代表的投資案件となります。

アリババとは
中国のインターネット通販最大手。企業間の電子商取引(eコマース)を仲介するサイトがヒットして急浮上。2017年には世界中の取引の仲立ちをし、流通総額50兆円を超えるeコマースの覇者となっている。

 

ソフトバンクは急成長前の、アリババのほとんど創業時に20億円を出資しています。

そして2014年。

アリババが大きくなり、ニューヨーク証券取引所に上場するときには、ソフトバンクは3割を超える株式を保有し、筆頭株主となっていました。

アリババの上場はamazon・Facebook等を抜き、過去最大となる株式公開(IPO)となりました。

このときのソフトバンクの含み益はなんと8兆円規模となります。

こうやって得た利益こそが、ソフトバンクの主軸となりつつある「投資家集団としての」ビジネスモデルとなります。

IPOとは
新規公開株のこと。新規上場時にこれから証券取引所で売り出されることになる株は、全ての投資家かから投資案件の候補として加えられることとなります。当然、未上場時よりも価値は膨れ上がることが多いです。上場前に株を持って置く、または「新規公開株を買うための権利」を抽選で獲得するなどして、上場時に初値で売り利益を上げることをIPO投資などと呼びます。(関連記事:「ブレグジット」「トランプ当選」に続く大事件。“サウジアラムコのIPO”は実現するのか

 

含み益とは
所有する証券や土地などの評価額が、購入価格よりも上がることによって得る潜在的な利益のことです。実際に売却するときの価格によって利益が確定することとなるため、この時点ではソフトバンクは現金収入を得ていません

スプリント買収/減損リスク

スプリントとは、2013年の買収当時、米3位の携帯会社です。現在では転落して4位となっています。つまり、経営がうまくいっていないということです。

米の携帯事業に参入するという、ソフトバンクの中で重要な成長戦略の一環でしたが、今では株価が下落し大きな減損リスクをかかえ、成長の足かせとなっています。

大型の投資案件は、たった一つの失敗で企業を転覆させるリスクをはらんでいます。

減損リスクとは
企業は保有している資産(株・土地・商品等、投資対象となりうるもの全て)を投資した額(取得価額)で会計上の記録をとっていきます。これに対して、収益性が投資した当時よりも下がってしまい、取得価額分の回収が見込めなくなる場合があります。この資産の価値の減少をリアルタイムに会計に反映することを減損といいます。ソフトバンクはスプリントの株価の暴落によって、多大な減損リスクを抱えているのです。

アーム買収/劣後債

ソフトバンクは次なる一手として、英アームを買収しました。その額なんと3兆円以上。

すでに投資が重なり超借金企業となっているソフトバンクにとって、資金調達の方法は非常にクリティカルな問題となってきます

まず、銀行側は貸し手として与信審査をするため、借金が膨れ上がっている企業には貸し渋ります。

そこでソフトバンクが資金調達の方法として選んだのは社債でした。彼らが発行したのは、ハイブリット社債であり、劣後債に分類されます。

与信審査とは
企業の財務状況をチェックして、本当にお金を貸してもよい企業か判断することです。金融機関から借りづらいとなれば、社債を発行して資金調達する、などが選択肢として挙がります。

 

ハイブリット社債とは
ハイブリット社債とは、株式社債のハイブリットとなっている債券を指します。あくまでも社債のため返済義務のある負債ではありますが、ハイブリット社債は償還までの期間が非常に長いため、例えば額面の半分等が自己資本として認められることがあります。会計上はあくまでも負債として数えられますが、格付け機関が資本性を認めれば、財務環境を悪化させずに資金調達することが可能となるのです。

 

劣後債とは
通常の社債は、弁済義務があるため、企業が破綻したときには優先的に弁済がなされます。劣後債は、文字通り弁済義務に関して通常の債権よりも劣り、順番を後回しにされてしまうのです。リスクが通常の社債よりも高い分、利回りは劣後債のほうが高くなります

 

サウジアラビアと10兆円の巨大ファンドを設立/大型投資家の足踏み

ソフトバンクは、アームの買収案件を発表(2016年7月)してから間もなく、次なる刺激的な投資案件を発表してまたもや世間の注目を浴びました。

その内容は、サウジアラビアの政府系ファンドと手を組み、総額10兆円もの投資ファンドを立ち上げるというものです。

サウジアラビアは原油依存の現状から脱却するために、ソフトバンクは積みあがった借金の枷の中で新たに大規模な投資をするために、協業することとなりました。

投資の世界の中で有名な話として、「投資案件の規模が大きくなるにつれて、魅力的な投資案件を探すのは難しくなる」というものがあります。

超大規模の投資に対して、それに見合うリターン率の案件は少ないということです。

例えば、利回り3パーセントの投資案件は世に溢れていますが、それが数兆円規模ともなると、そうないことは想像がつきます。

利回りはパーセントで表されますが、投資の規模が大きくなるにつれて、回収できる利益の絶対額に注目していかなければならなくなるのです。

ソフトバンクは、まさにこの「足踏み」状態に陥りそうになっていたところを、サウジアラビアの政府系ファンドというパートナーを見つけことによって投資規模の拡大に成功し、次への一歩を踏み出したのかもしれません。

まとめ
このように、積極的に経済活動をしている企業の動きをチェックしていくと、それと絡み合って世の中の動きがよく見えてくるかもしれません。特にグローバルに投資活動を行っている企業の、その行動原理になにが隠されているのかを考えることは、これから世界になにが起きるのかを考えることに繋がるのではないでしょうか。

 

 

23歳の筆者が今、一番伝えたいこと。

仮想通貨を自分の中でどう整理つけるか、答えを出せていない人は是非読んでください。

資産運用と経済の観点から、仮想通貨について考えています。