「ブレグジット」「トランプ当選」に続く大事件。“サウジアラムコのIPO”は実現するのか

 

sa-2
こんにちは。

sa2(@sa2fdi)と申します。

真面目な記事を挙げていますが、実は最近Youtuberになりました。笑

借金して仮想通貨を買った僕が、Youtuberになったワケ

是非一度ご覧ください。

自己紹介はこちらから。

 

世界最大の石油企業・サウジアラムコが上場を検討しています。脱石油政策をかかげるサウジアラビアの最強の切り札は、世界経済の台風の目となりそうです。確実に歴史につづられることとなるこの“石油狂騒曲”はどのような結末を迎えるのでしょうか。

 

 

世界一お金持ちの“後進国”

 

サウジアラムコとは、サウジアラビアの国営石油企業であり、民間石油最大手・エクソンモービルの10倍の原油埋蔵量を誇る企業です。

エクソンモービルは時価総額ランキングで世界10位以内に入り続ける超巨大企業です。アラムコが途方もない規模であることがよくわかります。

サウジアラビアがリーダー役を担っているOPECにも強い影響力を持っています。(関連記事:オイルショックから学ぶ「国際カルテル」

 

アラムコはサウジアラビアそのものである、などと表現されるほどサウジアラビアの経済はアラムコに頼りきりです。

これまで、余りある現金から税金という概念はなく、国民はあらゆる公共物をタダで使用する世界一のお金持ち国家でした。

しかし、石油収入の一本足打法を続けてきたサウジアラビアは、2014年に起きた原油価格の急落の影響が財政を圧迫し、産業の多様化を迫られています。脱石油を掲げるとともに、先進国の仲間入りを目指すときが来ているのです。

2014年までは歳入の9割、脱石油政策を掲げる現在でも8割を石油収入に頼っているサウジアラビア。

根本の改善策として一手目に選ばれたのは、国の中核を担うアラムコの改革でした。

 

 

サウジアラムコのIPO

 

IPOとは、新規公開株式のことです。要は、上場するということです。現在100%サウジ政府が保有している株のうち一部を投資家全体に、投資対象として売りに出すことを目論んでいるようです。

公開する株式は全体のうちたったの5%。たったの5%ですが、過去最大のアリババIPO時の4倍ともなる、10兆円以上の時価総額となる見込みです。

サウジアラビア政府はIPO時に得る収益を産業基盤の多角化に充てるようです。もちろん、上場会社となるアラムコも経営権が多様化し、石油一本の企業ではなくなっていくことでしょう。

 

誘致戦争/起爆剤となるアラムコIPOを勝ち取るのはどこか

 

アラムコがどこで上場するのか。

これが最も大事なポイントであり、市場関係者もアラムコの動きを注意深く見守っているところです。アラムコが上場すれば、その取引所は莫大な手数料収入を得る上、上場株式のパイが非常に大きくなります。

投資家の注目度の高さからも、アラムコが上場する取引所には巨額の投資マネーが流入することは確実です。

 

世界中の証券取引所はアラムコを招致することに躍起になっており、連日ニュースに暇がありません。アラムコが上場する先がいくつになるかについては、様々な憶測が飛び交っています。

メインの海外上場先は、上場の条件を満たすために1つに絞るとも、国際資本を最大限に活かすために3つになるとも言われています。

 

最も有力なのは、2大証券取引所のニューヨークとロンドンであるとされています。

 

ニューヨーク証券取引所
世界最大の証券取引所であり、影響力も群を抜いて大きいことで知られています。ニューヨークの株価動向が世界に波及して、全株式市場を左右しています。上場の基準も一段と厳しく、アラムコのIPOにとってはネックな点となります。トランプ旋風が吹き荒れ、中東情勢も危うい中、確かな経済上の協力関係を作れるのか注目されます。

 

 

ロンドン証券取引所
為替取引量が世界一であり続けるロンドン外国為替市場とともに、世界金融の中枢を担ってきた証券取引所です。イギリスがEUを離脱した後も、金融の頂点として君臨し続けることはできるのか、その真価が問われる場面となりそうです。

 

 

最大のネックとなるのは“歴史の闇”

 

株式上場するには、アラムコにとって大きなハードルを越えなければなりません。そのハードルとは、「企業情報の開示」です。

なぜそんなことが、と思われるかもしれませんが、アラムコはこれまで財務諸表を一切公表することをしていません。アラムコがどのように稼いで、稼ぎをどのように使っているのかは完全に“闇”なのです。

 

冒頭で、サウジアラムコはサウジアラビアそのものである、という言葉を紹介しました。これには2つの意味があり、1つはサウジアラビアがアラムコの稼ぎに頼りきりになるほど、強い影響力を発揮しているということ。

もう1つは、サウジ政権と悪い意味で蜜月の関係であるということです。財務諸表を公開したときに、王族への資金流入のような痕跡があれば、国民の批判はさけられません。

厳しい開示条件を潜り抜けて上場するときには、サウジ政権が暴利を貪って付いた「油汚れ」を、きれいさっぱり洗い落としていなければならないのです。

 

まとめ

ここ数年でも最大規模となるインパクトのニュースを取り上げました。世の中で何が起きているのかを知るには、規模の大きなものから順に理解していくことが手っ取り早いかと個人的に思っています。サウジアラビアの今後の動向に注目し、再度取り上げたいと思います。