「地銀の神隠し」―地方銀行再編に見る金融業界の未来―

 

sa-2
こんにちは。

sa-2(@sa2fdi)と申します。

 

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近年、地銀の再編が止まりません。金融情勢の影響が、ダイレクトに経営を左右する地方銀行。メガバンクなどのかげに隠れてひっそりと姿を消す“金融神隠し”が各地で起きようとしています。

 

 

絶滅の危機に瀕している地方銀行

 

地銀は現在、日本全国で100行程度あります。

しかし、急速に再編が進む現状を考えれば、10年以内には半分になるとも、4分の一になるとも言われています。

現在の状況下ではそれが適切な数であると予想されているということです。

地銀再編の理由は、主に以下の2つに分かれます。

 

 

ゼロ金利と、地方ゼロ成長の2重苦

 

金利環境と経済環境の停滞により、地方銀行は打撃を受けています。

経済について、一般的な企業であればゼロ成長とはそのまま現状維持を意味し、マイナスとはなりません。

しかし、こと地方銀行に関しては経済のゼロ成長がもろにマイナスに効いてくるのです。

地方銀行のメインビジネスは「預金と貸出」です。

「預金で集めた資金を企業等に貸し出す。そして預金金利と貸出金利の差、その利鞘によって稼ぐビジネス」です。

そして、企業が借入額を増やすのはどういう時かを考えます。

事業会社は、それぞれのビジネスフローや企業形態などから、適切な借入額というものをそれぞれ持っています。

その流れを飛び越えて借り入れを増額するのは、さらなる成長のために設備投資をするときになります。

設備投資をするのは需要拡大が見込まれるとき=経済が成長しているとき、です。

つまり、企業は経済成長の段階では、設備投資をするために借入額を増やすのです。

逆に言えば、経済成長のないときには借入をしない=地銀のビジネスが成り立たない、ということができるのです。

経済成長がゼロのとき、地銀はマイナス成長となる仕組みがお分かりいただけたでしょうか。

なぜ地銀に限った話をしているのかというと、例えばメガバンなどは、ビジネスが貸出一辺倒ではないので、様々な経済環境に合わせてビジネスを展開していくことができます。

金融商品などの持ち駒が多様であると考えていただければ結構です。

さて、地銀が貸出で稼げないとなれば、次に考えるのは金利を下げることで貸出を増やすということです。

しかし、低金利時代の今ではそれに限度もあり、“ジリ貧”が続きます。

ゼロ金利とゼロ成長の2重苦が、地銀の体力を確実に奪っているのです。

 

“地方”銀行という枠組みの意義の消滅

 

そもそもの地銀の強みは、地域密着型という点です。

メガバングが見向きもしないような零細企業にも文字通り足を運んで良好な関係を築く。

そして彼らが成長してより大きい企業となったときに、太客として稼がせてもらうというのが地銀の一般的なスタイルでした。

しかし時代は変わり、零細企業だろうが個人だろうが、誰でも金融情報を手に入れることができ、簡単に比較できるようになりました。

地域密着型から、コスト重視の金融機関選びへと主流が変わっているのです。

ネット社会の現代では、都市銀行・地方銀行などと地域で区分する意味はほとんどなくなり、再編によって規模の拡大を追い求めるようになっているのです。

 

テクノロジーによって生まれる銀行要らずの社会

 

Fintechの広がりによって、銀行に頼らずとも個人間決済などが簡単にできる時代が訪れています。

またFintechは、世間の中の銀行の役割を減らすだけでなく、従来の銀行業務の一部をとってかわるようになっています。

今までは毎日のように書類をやりとりして資金移動していたところを、電子送金で自動に送れるようになったりと、単純な銀行業務は全てシステムが替わりを果たせるのです。

象徴的なニュースは、2017年6月に三菱UFJフィナンシャルグループ(以下MUFG)が、過去最大の一万人の削減を検討しているというものです。

フィンテックによる業務統合において、発生する余剰人員を削減するとのことでした。

MUFGの社員は全体で14万7千人程度いるため、1万人の削減となると、実に約7%ものカットをすることになるのです。

MUFGは、2005年の誕生から10年以上にわたって日本の金融をリードしてきた日本最大規模の金融機関です。

MUFGが先行してとる方策には、日本の銀行はほぼ右にならえの状態でついていくのがほとんどでした。

人員削減の流れもこれから日本全体に波及していくことでしょう。

もちろん、一番影響を受けることになるのは、規模が小さく体力のない地方銀行になります。

メガバンクのかげに隠れて、神隠しのように少しずつ姿を消していく地方銀行は、日本金融全体の未来を表しているのかもしれません。

 

23歳の筆者が今、一番伝えたいこと。

仮想通貨を自分の中でどう整理つけるか、答えを出せていない人は是非読んでください。

資産運用と経済の観点から、仮想通貨について考えています。

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