経済学としての東京五輪。いわゆる「経済効果」とは何なのか?

 

sa-2
こんにちは。

sa-2(@sa2fdi)と申します。

真面目な記事を挙げていますが、実は最近Youtuberになりました。笑

借金して仮想通貨を買った僕が、Youtuberになったワケ

是非一度ご覧ください。

自己紹介はこちらから。

 

経済学は、基礎となる理論と過去の事例を突き合わせることで学んでいくことがほとんどです。今回は東京五輪という近年では圧倒的に経済効果の大きい未来の事例を取り上げることで、経済の基礎を学びたいと思います。

2020東京五輪

2020夏季オリンピックの主催都市が東京に決まり、ここ数年で最も経済を動かす事象であると注目されています。
実際にオリンピックが日本経済にもたらすものを考えます。

そもそも経済効果とは何か?

経済効果とは、経済“成長”を促す効果、ということです。
これは平たく言うと実質GDPをどれだけ伸ばすことが期待できるのか、というところを問われているということです。

GDPについて。
GDPは生産、分配(所得)、支出3つの要素それぞれの面から見ることができます。

生産とは、ある期間に生み出された商品・サービスの付加価値の合計です。付加価値とは、簡単に言えば完成品と、元となった材料の価値の差です。この付加価値の合計がGDPとなります。

 

分配(所得)とは、ある期間に生産をもとにして得られた付加価値(=収入)が、様々な経済主体に行きわたることを表しています。収入は、生産をする雇用者側の利益、従業員側の給料、政府に支払われる税金などに形を変えながら、分配されていくのです。

 

支出とは、各経済主体に分配された所得がどのように使われたのか、その行先から考えるというものです。

 

“生産”で生まれた付加価値が、所得として“分配”され、所得をもとに“支出”される。これら3つの要素が、値として等しくなるという原則を、三面等価の原則と呼びます。

そんなことは言われてみれば自明だ、と思われるかもしれません。

しかし、この三面等価の原則という名前のついた概念があるということをしっかりと前提に置くことが、GDPを考える上では重要となるのです。

何か経済的に大きな事象があったとき、GDP上の動きが生産面では直感的に分かりにくいが、分配面から見ると良くわかるということがあるのです。

東京五輪で期待される経済効果

東京五輪で期待される効果は、大きく2つに分けることができます。

1つは大会開催までの準備期間に発生する投資や開催期間中にかかる運営費用など、オリンピックに直接かかる効果

もう1つはオリンピックのために開発された建物やサービス、技術など、大会後も残るオリンピックのレガシー(=遺産)としての効果です。

直接効果について

直接効果について語るのは簡単です。まずは莫大な競技場の整備費用。加えて、鉄道や空港の整備などが必要になります。

これらが公共事業となり、五輪開催までの間、大量の雇用を生み出すこととなります。

公共事業の経済効果については、「蚊を放てばいい」の精神で語られることがよくあります。

とある、蚊が生息していない国があるとします。

この国の経済を発展させたければ、蚊を放てばいいと経済学者がアドバイスするというよくある小話です。

蚊が放たれると、国民の幸福度は下がりますが、蚊の対策をするための虫よけスプレーであるとか蚊取り線香をつくるため、一定の投資や雇用創出の効果が見込めます。

経済の発展には、何かしらの事業を起こすこと。事業自体のクオリティやモラルは問われず、何かを始めるだけで、経済の発展自体は達成することができるという話です。

オリンピックの経済効果も良くこの目線で語られることがあります。

真に需要があるわけではないものをオリンピック特需として作ってしまうと、一時的には景気の上昇効果があります。

しかし、オリンピックが過ぎた後も継続して有効活用されなければ、投資費用を回収することが出来ないかもしれません。

先ほどの話で例えれば、蚊取り線香の工場を建てたはいいが、数年で蚊がいなくなり残ったのは借金だけ、という状態です。

ことオリンピックの経済効果において重要なのは、需要が継続的なものかどうか、という点です。

五輪前後では状況は180度変わるので、そこを見据えた投資活動をしなければならないのです。

これらの理由から重視されるのは、次に説明するレガシー、遺産としての経済効果です。

レガシー効果について

五輪後も継続して有効活用が期待される経済効果について説明します。

2020東京五輪の話題では、頻繁にレガシーという言葉が使われます。

実際に、1964年に開催された東京五輪では、以下のようなレガシーが生まれました。

新幹線・首都高の整備、冷凍食品の開発、衛星放送・カラーテレビの普及などです。

オリンピックを契機に生み出されたこれらのものは、現代にも息づいています。

今回は前回以上のものを五輪の成果として残していきたいと都政は息巻いているのです。

それらの一例を以下に見ていきます。

・施設としてのレガシー
今回の東京五輪のために整備した施設を、今後のスポーツ文化育成のための拠点にしていくという活動があるそうです。

過去の五輪では、オリンピック限りの利用となり、すぐに使われなくなってしまった負の遺産が生まれています。

例えば2008年開催の北京五輪では、奇抜な造形が話題を呼んだ「鳥の巣」スタジアムが建設されました。

莫大な費用をかけてつくられた鳥の巣は、現在はほとんど使われることなく大部分が廃墟と化しています。

このような事例を反面教師にして、東京五輪では五輪後の施設利用の見込みをあらかじめたてて運営していくという動きがあります。

今回五輪で使用される施設は、日常生活にスポーツがとけこむような文化を育てるための拠点として利用されていくとのことです。

オリンピックは文化の祭典である、という言葉を体現する五輪にすることを目指しているようです。

 

・テクノロジーとしてのレガシー

「通信大国日本」という言葉は聞いたことがあるでしょうか。日本は非常に高いスマホ普及率に加え、4G通信の普及率が世界トップクラスです。

現在は4G通信の普及もひと段落し、誰もが高速通信を手軽に楽しめる時代となっています。

ところが、通信業界の進化の速度は凄まじく、すでに次なる世代、5G通信の幕開けが迫っています。

5G通信において今研究開発が世界で進んでいるのはアメリカ、日本、韓国です。

日本はなんとかしてこの5G通信において、3国間戦争を勝ち抜きたいと考えています。

そして、2018年には韓国で平昌五輪が、2020年には日本で東京五輪が開かれます。

それぞれが、5G通信のお披露目の場として、オリンピックが絶好の機会であると考えています。

時期は違いますが、その時点で最高の成果を自国開催の五輪で世界に発信したいと考え、急ピッチで開発を進めています。

この通信戦争も、五輪が契機となるレガシーと言えそうです。

5G通信について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

 

その他にも、東京五輪までにバリアフリーを完成させるであるとか、LGBTの社会的受容の推進などが急がれています。

東京五輪の開催が決定したことによって、様々な角度から経済活動が活発になり、日本全体としての付加価値が向上していくことが想像できます。

輝かしい未来の遺産が生み出されていくことを願います。