原油価格が、市場を動かす。

 

sa-2
こんにちは。

sa-2(@sa2fdi)と申します。

 

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原油価格が影響力を持つのはなぜ?

 

原油が持つ役割は、大きく2つに分かれます。エネルギー、資源、原料、燃料などと様々なくくりを持つ原油の実態をとらえましょう。

 

原材料費としての原油価格

 

私たちの生活には、石油化学製品が溢れています。靴、メガネ、PC、自動車、オムツなど、挙げればキリがありません。

石油化学製品は原油を材料として作られるため、原油価格の動向に伴って原材料費が変動していくのです。

例えば原油価格が高騰すれば、化学メーカーや部品メーカーなどは分かりやすく業績が悪化します。

材料を高く仕入れた分だけ商品の値段を上げられるわけではないので、マージンの悪化が業績の低迷に繋がります。

 

 

輸送費・燃料費としての原油価格

 

原油は自動車や船、飛行機などを燃料として運ぶ燃料の元となっています。

原油価格の変動は、こういった陸海空運などの運送業界の輸送費として直接的に影響を与えます。

また、輸送費が高騰すれば、それを利用する全ての業界にコストが転嫁されていきます。

費用のうちの多くを輸送費が占める小売業界などは、原油価格の動向に業績が左右されるという一面を持っています。

原油が動かすのは交通手段だけではなく、工場や発電所を動かすエネルギーとしても重要な役割を果たしています。

この燃料費も同様に、商品にコストとして転嫁されていきます。

 

 

このように原油価格は、形を変えながらあらゆる側面で市場に影響を及ぼしているのです。

次は、もう少しマクロな視点から原油価格を考えます。

 

 

日本で原油価格がより重要な指標となっているワケ

 

近年の日本にとって、原油価格の重要性が増していることはご存知でしょうか。

この事実については、少し遠回りして説明しなければなりません。

日銀が、質的・量的金融緩和を実施したこと。

これが、原油価格がより重要な指標となるきっかけなのです。

 

流れで説明すると、以下のようになります。

  • 日銀が量的・質的金融緩和を実施する。
  • 物価水準がより重要な金融政策の目標となる。
  • 物価に多大な影響を与える原油価格が指標としてより重みを増す。

 

原油価格は先に述べたように、原料費として、または輸送費・燃料費としてあらゆる商品のコストとなって間接的に影響を与えています。

物価はその時々の原油価格の動向に大きく左右されている、ということです。

物価の2パーセント上昇といういつまでたっても背中の見えない目標を追い続ける日銀は、今日も明日も原油価格の変動に一喜一憂するのです。

 

 

原油マネーの動き方

 

原油という大きなテーマのもとでは、世界は3つのグループに分けることが出来ます。

原油の生産国と原油の消費国、そしてアメリカです。

基本的にオイルマネーは、消費国から産油国へ流れていきます

消費国はエネルギーの需要の分だけ、産油国にお金を流出させています。

これが、経済を大きく動かす要因となっています。

原油価格が高騰すれば、より大きな金額が消費国である先進国から消費国へ流れることになります。

逆に言えば、原油価格が下がると、先進国から消費国に流れるお金が減ります。

先進国にとって経済的に有利な局面であると言えそうです。

 

しかし、第三局アメリカを考えると、そうともばかり言えなくなってきます。

アメリカは、世界一の原油生産国であり、世界一の消費国でもあります。

長年トップに君臨していたサウジアラビアの生産量を2014年に抜き、消費国としてだけでなく、生産国としてエネルギー業界でも覇権をとっています。

産油国・消費国どちらの側面を持つアメリカは、原油価格の下落局面において、メリットとデメリットを同時に享受することとなります。

アメリカは、先進国の中では例外的に原油価格の下落局面でも単純に有利にはなりません。

そればかりか、石油産業の業績悪化次第では全体として景気が悪くなることも考えられます。

そして、世界一の経済大国・アメリカの景気は、世界中に波及していきます。

例えば、日本は自動車業界を中心とした製造業の売上は、その多くのパイを北米市場に依存しています。

アメリカの景気が悪くなれば、付随して日本の景気も悪くなるというのは、いつの時代も変わりません。

以上のことから、原油価格が下落すると、先進国の経済は上向くが、アメリカ次第ではそうとも限らない、ということが言えます。

 

OPECの減産とシェール勢

 

OPECは、中東産油国を中心に構成されている、「中東産油国の利益を守るための国際カルテル」です。

原油価格が下がり過ぎて産油国の利益を損なうようなことがないよう、価格を調整・統制していくことを目的に持っています。

1970年代までは、2度のオイルショックを引き起こすなどして世界に存在感を示していたが、その後は徐々に市場が成熟し価格調整機能としての力を失っています。

 

OPECの歴史について、以下の記事で紹介しています。

 

 

2014年からの原油価格急落によって、OPECは産油国の利権が失われつつあることを危惧しています。

OPECは一体となって減産することで価格を吊り上げようとしていますが、その思惑を阻むのが新興シェール企業です。

近年、シェール革命によって、シェールオイルが低コストで生産できるようになりました。

OPECが減産して価格を上げても、その分だけシェールオイルが増産するというイタチごっこが続く状況が続いています。

価格の安定的な上昇が見込めなくなった中東諸国は、原油以外の収益源を確保するために急ピッチで他産業への投資を拡大しています。

中東諸国の国を挙げた「他産業への乗り込み」が、今や経済を動かす重要なファクターとなっています。

これも、原油価格が市場を動かしている好例と言えるでしょう。

 

23歳の筆者が今、一番伝えたいこと。

仮想通貨を自分の中でどう整理つけるか、答えを出せていない人は是非読んでください。

資産運用と経済の観点から、仮想通貨について考えています。