マイナス金利という麻薬。―「金利が下がる」を理解する―

 

sa-2
こんにちは。

sa2(@sa2fdi)と申します。

真面目な記事を挙げていますが、実は最近Youtuberになりました。笑

借金して仮想通貨を買った僕が、Youtuberになったワケ

是非一度ご覧ください。

自己紹介はこちらから。

 

マイナス金利。新聞にこの言葉が登場しない日はほとんどないんじゃないでしょうか。なんとなくで読んでしまっていたところを、今日きちんと整理したいと思います。

 

一般にマイナス金利という言葉が使われるとき、そこには2つのパターンがあるようです。1つは日銀が金融政策決定会合により導入した、日銀預け金に対するマイナス金利。

もう1つはマーケット上の、長期金利のマイナス金利。(「マーケット上の」という言い方は「市場によって決められた」、と置き換えることができます。)

 

それぞれ詳しく解説します。

 

日銀のマイナス金利

マイナス金利導入後に各金融機関が日銀に預けたお金に対し、マイナスの金利がかかるようになります。要は、日銀に預けているとどんどん金利で資産が減っていってしまいます。

それならば市場に放出して、企業や個人に貸し出すことで利息を得よう、というインセンティブが働くので景気を活発化させることができます。

 

もともと日銀はリーマンショック以降ゼロ金利政策を導入しており、さらなる金融緩和のため買いオペを続けてきました。

 

買いオペとはこれまたよく新聞に登場する言葉で、日銀が市場に対して(民間の金融機関が保有している)国債などの金融商品を買い入れるオペレーションのことです。

いわゆる公開市場操作と呼ばれるもので、日銀が金融機関から国債を買えば、その分だけ日銀から市場にお金が流れることになります。景気刺激策として有効です。

 

ちなみに、この買いオペに関して、大量に買っていきますよーという動きを量的緩和、国債だけでなく色んな金融商品を買っていきますよーという動きを質的緩和といいます。

 

金利はゼロ、量的質的緩和も続けている中で日銀の次なる景気刺激策とは何か。世間に動きが注目される中、マイナス金利導入という衝撃的なニュースが金融界を駆け巡ったというのが2016年の1月の話です。

 

 

長期金利のマイナス金利

日銀のマイナス金利決定を受けてすぐに市場が反応しマイナスへと転じたのが長期金利です。長期金利とは、10年物の国債の利回りのことを指します。国債の利回りといわれてもピンときませんね。

 

実は、債券における利率と利回りは全く別の意味で使われております。利率とは債権の額面に対して、1年後に受け取れる利息の割合を指します。利回りとは、その債権の購入価格に対して、利息+元本償還でどれだけ儲かったかを示す割合となります。

 

ますます訳が分からなくなってしまうため、債権を要素に分けて説明します。

 

まず債権には元本・利息・購入価格の3つ要素があると思ってください。購入価格はそのまま、債券を購入するときの価格のこと。元本は、債券が期日を迎えたときにもらえるお金であり、額面と呼ばれます。

元本と購入価格は全くの別物なんですね。筆者は経済学部出身ですが、この考え方になかなか馴染めませんでした。

 

額面100万円/年利率1%/償還期限1年の債権(償還期限1年=1年経つとお金に替えられる)があったとして、その購入価格は市場が決定します

需要と供給のバランスで決まるため、金融商品としての人気がなければ90万円、誰もが欲しがる商品であれば110万円にもなります。

 

 

この、110万円で買うという状態が、まさしく利回りがマイナスの状態です。購入価格に対して、1年後に101万円にもらえるだけでは、全く儲かっていません。

 

つまり、持っていても全く儲からない国債を金融機関がこぞって買い、さらに国債の購入価格が上がり続けた結果、10年物国債の利回り=長期金利がマイナスになったということです。

 

 

 

マイナス金利まとめ

 

なぜこんな不可思議なことが起きるのか?

経済は難しい、ですませないために、原点に戻りましょう。

 

振り返ると、長期金利がマイナスに突入したのは、日銀のマイナス金利政策導入に市場が反応したためです。

実はこの日銀のマイナス金利導入は、「金融緩和を何が何でも成し遂げる」という市場に対する日銀のメッセージのようなものだと言われています。

要は、先ほどの儲からない国債を、日銀がさらに値をつけて買い取ると暗に約束してくれているのです。これにより、金融機関は安心して債権市場から国債を買うことができます。

結果として金融機関が市場にお金を放出し、景気が回るということです。

 

もちろん日銀が買い入れるにも限度がありますし、いつかはきれいな出口を見つけなければなりません。マイナス金利とは、この歪なサイクルを達成するための一時的な“麻薬”であるといえるのです。