オイルショックから学ぶ「国際カルテル」

 

sa-2
こんにちは。

sa-2(@sa2fdi)と申します。

 

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日々、世界中で起きていることを理解するために必要となる概念の1つが、「国際カルテル」です。巨大組織が与える影響は、かつては測り知れないものでした。現状を考えたいと思います。

そもそもカルテルとは?
カルテルとは、同一種類の生産をする複数企業同士がコミュニケーションを図り、生産量・価格調整等を連携して行うことによって、独占状態を作り出そうとすることです。自由競争を避けて価格を釣り上げることにより利益をあげ、消費者は多大な不利益を被ることになります。日本においては、独占禁止法によって禁止されており公正取引委員会によって厳しいチェック体制が引かれています。

 

 

カルテルについて/OPEC誕生

国際カルテルは当然その国際バージョンとなります。

犯罪ではないのか?と思われるかもしれませんが、世界にはまだまだ競争法が整備されていない国は多く存在します

日本は成熟した先進国家ですので自由競争が守られていますが、世界には単一の産業のみで成り立っており、国際カルテルに依存している国がたくさんあります。

ちなみに日本の独占禁止法は、日本企業が国際カルテルに参加することも禁止しています。

国際カルテル、その際たる例がOPEC(石油輸出国機構)です。OPECは、石油メジャーと呼ばれる世界的な資本力・政治力を備えている巨大企業に対抗するために誕生しました。

石油メジャーの中でも、さらに主要7企業はセブンシスターズ(米エクソンモービル、英蘭ロイヤルダッチ・シェル等)と呼ばれ、世界中の石油の生産・価格決定権を独占していました。

このセブンシスターズから価格決定権を奪い、産油国(石油輸出国)の立場を向上するために、OPECという世界最大の国際カルテルが誕生したのです。

 

2度のオイルショック

OPECは、サウジアラビアを中心とする中東の産油国13か国(現在)で構成されています。

産油国の利益を守るための組織が演出した、過去2度のオイルショック。世界にどのような影響を与えたか見ていきます。

そもそもオイルショックとは?
OPECが原油の価格を高騰させ、世界経済を混乱に落とし込んだことを言います。

 

とくに第一次オイルショックの影響は凄まじいものでした。端的に言えば、世界恐慌時よりも世界の株価は下落しました。

さらに、原油価格の高騰により、OPEC加盟国の国際収支額は、それまでの10億ドル黒字から700億ドル黒字へと跳ね上がりました。

経済基盤が産油のみであっても、ここまでの影響力があれば政治上の非常に大きな力を持つことになります。

 

日本への影響

第一次オイルショックの影響からインフレ状態に陥ってしまいました。

このインフレをなんとか抑制するため、政府は大幅な公定歩合(当時の、日銀が民間へ資金貸付を行う際の金利)の引き上げを行いました。

金利の引き上げは企業活動の抑制に繋がる(参考記事リンク:マイナス金利という麻薬。―「金利が下がる」を理解する―)ため、景気は停滞します。

オイルショックによって、当時の高度経済成長は終わりを迎えることとなったのです。

複数の国家が協調してカルテルを組むと、方針一つで世界に多大な影響を与えることができるということがお分かりいただけましたでしょうか。

 

国際カルテルの難しさ

二度のオイルショックを演出したOPECは、しばらくの間原油市場において絶大な権力を発揮します。

ただしそれもつかの間、1973年の第一次オイルショックから10年余りで、価格の決定権は自由市場に移ってしまったのです。

なぜ、世界最大の国際カルテルはその影響力を失ったのか。

最大の理由は、OPECには各国の足並みを揃えるための仕組みが存在していないことだと思います

価格を吊り上げるために生産量を調整しようとしても、脱けがけ的に生産量を増やせば、一番得をするのは裏切り者になってしまうのです。

セブンシスターズに対抗するために発足したOPECは、様々な経済状況の国が急務的に集まって組織化されました。そもそも厳格な経済制裁などのルールを前提とした組織つくりをしていないということです。

そういったものが前段にあれば、そもそも加盟国が集まっていなかったことでしょう。

厳格なルールもなく、裏切り者が得をする。常に囚人のジレンマ状態にあったOPECは、次第に協調性とともに価格調整力を失っていったというわけです。

国際カルテルには、常にこのジレンマが発生します。国際間での厳格なルールの制定は非常に難しいということです。

オイルショックのときにカルテルが成功した理由とは?

オイルショックの演出が成功したのは、単にOPEC加盟国の利害が一致する特異な状況(セブンシスターズによる支配からの脱出)であったこと、OPECの原油生産量が当時6割近くもあったことであるとよく論じられます。

私は、個人的にこの論じられ方は本質的ではないかなと思っております。

やはり根本にある原因は、世界全体として市場が成熟しておらず、自由競争が達成されにくい世の中であったことだと考えます

仮に当時、インターネットが発達していて情報の共有が世界でなされる状況であれば、OPECがいかに生産量で圧倒していても、価格の吊り上げは達成されなかったのではないでしょうか。(OPECの減産の情報が漏れた時点でOPEC以外が大量に生産・輸出して売り抜けようとすれば、オイルショックと呼ばれるまでの極端な高騰はなかったかもしれない、ということです。)

仕掛けたもの勝ちの時世に上手く仕掛けた、というように捉えてもよいかもしれません。

 

23歳の筆者が今、一番伝えたいこと。

仮想通貨を自分の中でどう整理つけるか、答えを出せていない人は是非読んでください。

資産運用と経済の観点から、仮想通貨について考えています。