後知恵バイアスを前提に置くこと。―現代社会に生きる若者が知っておくべき知識について―

 

 

sa-2
こんにちは。

sa-2(@sa2fdi)と申します。

 

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後知恵バイアスとは
Hindsight Bias/後知恵バイアスとは、ある事象が生じたときに、それが事前に予測可能であったと考えてしまう傾向のことです。これは心理学用語であり、およそ全ての人間にこの傾向があることが数々の実験で証明されています。

 

後知恵バイアスの実証

イギリスの有名な推理作家であるアガサ・クリスティーはご存知でしょうか。ミステリーの女王と呼ばれ、彼女が数々のヒット推理小説を生み出していることはイギリス国民であれば誰もが知っている事実であります。

イギリスで執り行われた後知恵バイアスの実証は、次の手順で行われました。まず被験者を数十名集め、アガサが執筆した本の数を推定させます。

得られた回答の平均は51冊でした。

実験日から期間をおいて、被験者に質問の正解が67冊であることを伝えます。ここで、被験者に「あなたは当時何冊だと推定しましたか?」と質問を投げかけます。

得られた回答の平均は、63冊。

人間は、結果が分かったときにはその内容に引っ張られて、自身が出した事前の予想を過大評価してしまう傾向を持つのです。

 

市場における後知恵バイアス

投資活動においても後知恵バイアスはあふれています。例えば、ある投資家の行動をチェックしていたとします。

投資の結果が出た後、その結果に左右されて「やっぱりこうだと思った」などと思ってしまうことはよく起きます。

その投資の結果が正であれば正の方向に、投資の結果が負であれば負の方向に、自分が事前に予測していたと勘違いしてしまうのです。(実際はそんな予測などしていないし、もしも根拠を持って予想していたとするならば自分が投資して大儲けしているはずです。)

大切なのは、誰しもこの傾向を持っているということです。

人はよく、結果に左右されて過去の考え方を自分の中で、自分も気づかぬうちに修正してしまうのです。

この後知恵バイアスは有名ではないものの非常に重要な考え方であり、市場においてもこの考え方を事前に知っておくことが、世の中の流れを読むための大きな助けとなります。

市場においてなぜこの考え方を知ることが大切なのか

これを理解するためには、市場が人々の心理によって動いていることを知らなければなりません。

「~を市場が織り込む」この表現は新聞・経済誌などによく登場します。意味・使われ方を解説します。

まず、市場というものはあらゆる情報を取り込んで変化し、その全ては需要と供給として表されます。

あらゆる要因が絡み合って買いたい人が増えて(売りたい人が減って)値段が上がるか、買いたい人が減って(売りたい人が増えて)値段が下がる。この2つに集約されていきます。

それが債権市場であっても原油市場であっても、原則は変わりません。

例えば、ある会社の業績が確実に上がる事象A(大型の受注を受けるなど)が、5月10日に起きるとします。業績が上がるならば当然その企業の株の価値も相対的に上がるはずです。

ただし、上がるタイミングは市場が決定します。必ずしも5月10日とは限りません。

仮に事象Aが5月10日に起きるという噂が5月1日に流れたとすると、その時点で市場は反応し、株価は上昇します。

5月3日の時点で本来事象Aによって上がるはずだった株価まで上がったなら、事象Aによって起こる市場の反応はすでに終わっているとみなすこともできます。

この状態を、「事象Aを市場が織り込んだ」と表現するのです。

5月10日の時点では、もうこれ以上株価は上がらないと判断した投資家たちが株を売り、株価下落の局面になることさえも十分にあり得ます。

このように、市場の動きとは本来的な価値のみで決まるものではありません。本来的な価値を基準とした価格を、人々の心理が上下に変動させているのです。

ここで、後知恵バイアスの話に戻ります。

投資家はこの心理によって、直近の成功体験に大きく左右されてしまいます。

前回はしっかりとプロセスを踏んで予測を立て、リスクを抱えながら投資活動に踏み切っていたのに、前回成功したという結果に大きく左右されて、自分の考えが正しいのだからと、今度はリスクを考えずに投資活動に踏み切ってしまうのです。

要は、運も手伝って成功したのに、それを実力のみで成功したと考えてしまうように人間はなっているということです。

株価の上昇局面では、後知恵バイアスによって過当競争になりがちです。結果のみを判断材料にしてプロセスを無視し続けていくとどうなるのか。

たどり着く先はバブルの崩壊です。

人々の、「自分の正しい判断で成功を勝ち取った」という心理(もしくは勘違いと言い換えてもよいです。まさしくバイアスがかかっている状態ですね。)が市場を押し上げ続けても、いつかは実態とのかい離の分だけ株価は下落することになるのです。

 

まとめ
後知恵バイアスという概念を知っておくこと。これが自分にも当てはまることであり、市場全体にこれが当てはまっていることを前提として行動することができれば、正しく世の流れを読むことができるのではないでしょうか。もちろん日常生活にも後知恵バイアスは溢れています。自分がミスをしたときに、「そうなると思っていたよ」と得意げになる先輩や上司。試合に負けた途端、監督を批判しはじめる野球ファン。後知恵バイアスが世に溢れていることをたくさんの人が知れば、もっと生きやすい世の中になるかもしれません。

 

 

23歳の筆者が今、一番伝えたいこと。

仮想通貨を自分の中でどう整理つけるか、答えを出せていない人は是非読んでください。

資産運用と経済の観点から、仮想通貨について考えています。