為替相場の七大要素とは?ドル円相場、基礎の基礎

 

sa-2
こんにちは。

sa2(@sa2fdi)と申します。

真面目な記事を挙げていますが、実は最近Youtuberになりました。笑

借金して仮想通貨を買った僕が、Youtuberになったワケ

是非一度ご覧ください。

自己紹介はこちらから。

 

日本にいて世界の動きを知りたければ、ドル円相場を読めるようになることが一番です。為替相場は世界で起きている全ての現象を反映しているからです。

中でも基軸通貨である米ドルは世界中の貿易取引で利用されているため、およそ全ての出来事が何らかの形でドル相場に影響を及ぼしているのです。

 

 

為替相場と株式市場の違い

株式市場は、1つ1つの銘柄に対して価値の根源的な理由が存在します。

それは企業が毎年稼ぎだす利益と、利益を元にして株主に還元される配当金です。

これに加えて、株数に応じて保有できる株主総会における議決権です。

株価は会社の価値を表すと言いますが、ここで言われる会社の価値とは、配当金と議決権によって担保されている絶対的な価値なのです。

 

対して為替相場においては絶対的な価値が表されることはありません。

全てがある2つの通貨を比較したうえでの相対的な価値が表されます。

そして、基本的には世界中で利用されているドルを基軸通貨として、対ドルでの通貨価値を主な指標として利用することが一般的です。

 

 

 

為替相場を動かす7大要素について

為替相場の値動きは、大きな考え方としてファンダメンタルズを理解しなければなりません。

ファンダメンタルズとは「経済の基礎的条件」と訳され、為替相場においては次の要素に分解されます。

 

  • 金利・インフレ
  • 景気
  • 財政収支
  • 国際収支
  • 政治要因

また経済的な条件、つまり需要供給とは別の要素で為替の変動要因となるものに注意しなければなりません。

  • 地政学的リスク
  • テクニカル要因

これらを基本的項目として為替相場の土台は形成されていきます。

このうちの一部だけを理解しても、他の要因にどのように左右されるか判断がつきません。

そのため、為替の変動要因は全体として学ぶ姿勢が大切です。

 

ここでは触りだけ紹介しますが、別記事でそれぞれ詳しく扱います。

 

 

 

 

金利・インフレ

まずは最も基本的であり、材料として重要視される金利について。

為替相場というものは、金利の低い通貨から金利の高い通貨へとお金が流れていきます。

金利が高い通貨で運用する方が高い収益を得ることができるため、これは当然のことです。

日本の金利が相対的に高くなれば円高、ドル金利が高くなれば円安方向へ進みます。

 

ただし、自国通貨と他国通貨を比較する場合は“為替リスク”を考慮する必要があります。

資産の一部を他国通貨に替えるということは、為替変動によって価値が上下するリスクを伴います。

このリスクを受け入れるにしても、先物取引や信用取引をして為替ヘッジのコストをとるにしても、一定のハードルが存在するのです。

金利差がこのハードルを越えるとき、投資家は為替取引をする決断をします。

 

日本では2016年に日銀のマイナス金利導入後、金利は低迷を続けています。

金融緩和による景気刺激策の依存から抜けられず、出口を探し続けている状態です。

このテーマについては以下の記事で取り上げています。

 

 

対してアメリカは雇用改善とともに段階的に利上げを進め、徐々に金融緩和の縮小を目指しています。

しかしながら2016年から年1,2回程度のペースにとどまっており、本格的な景気引き締めという段階には至っていません。

 

金利が高い、ということは通貨の価値が高いということができます。

しかし、金利だけでは通貨の価値は判断できません。

その他様々な要素を踏まえて通貨の価値を考えなければなりません。

 

インフレも大事な要素の一つです。

インフレは物価の上昇を意味しますが、視線を反対方向に向けると「通貨価値の減少」を表す指標となります。

物価の上昇によって、通貨価値=購買力がその分下がることになるのです。

 

この考え方は為替相場を飛び越え、経済学として重要な要素になります。

例えば、インフレ時に有利になるのはどんな人かを想像してみます。

通貨価値が減少して嬉しいのは、通貨をマイナスの値で保有している人です。

つまり、インフレは借金を抱えている人に有利な事象なのです。

 

「アベノミクスはインフレによって国家債務を減少させるのが目的」などと語られるのは、こういうことです。

金利・インフレをセットで考えて、通貨価値を見極めることが大切です。

景気

景気は為替相場の大まかな流れをつくるベースと言えます。

景気の先行きは、政府が策定する金融政策に直結します。

景気が悪ければ市場に出回るお金を増やすために金利を下げ、景気が良ければ過度なインフレを防ぐため金利を上げて景気を引き締めます。

政府が最終的に目指すものは経済の安定的な発展ですが、中央銀行がその中で果たす役割が、「景気変動の調節」なのです。

景気を調節するために金利を調整し、結果として通貨の価値が変動していくのです。

 

直近では日米ともに「実感のない長期景気上昇」が続いております。

 

日本では緩やかな長期回復により、2019年1月まで続けば「いざなみ景気」を超える戦後最長の景気拡大期間になるかもしれないと言われています。

アメリカにおいても、このまま2019年7月まで景気拡大が続けば過去最長となる見込みです。

 

この景気の長期拡大は、いわゆる「低温経済」であることがポイントになっています。

低温経済とは、金利・物価が低いままの過熱感のない景気のことです。

景気が良くてもインフレにならない状態が続き、思い切った利上げに踏み切れないというのが昨今のトレンドになっています。

利上げによる急ブレーキがない分、景気も底堅く伸びているというのが現状です。

 

財政収支

次に、国家の税収と歳出のバランスを見なければなりません。

財政赤字が多い国の通貨は売られ、財政収支が良好な国の通貨は買われます。

財政収支が良好であれば国内の金回りが良くなり、景気が上昇します。

 

先進国は、得てして財政赤字に陥りやすいという特徴を持ちます。

それは、政権を維持するため、景気を底上げするその場しのぎの財政出動を政府が行うからです。

政権維持を主眼とした場合、国民のご機嫌とりのために負債を将来世代へ転嫁していくことが、政府にとっての合理的な行動になってしまうのです。

これを解決するには、国民の政治・経済リテラシーの向上が必須であると私は思います。

今政府が何を行っているのか、これを見極める力が国民に備わっていれば選挙による矯正力が正しい形で働きます。

そうすれば、将来にわたって日本のためになる政治が行われていくことでしょう。

 

さて、財政赤字であれば国の通貨は売られるのが原則です。

しかし、日本においては財政赤字が円安の直接的要因にはなりにくいという事実があります。

理由は、日本国債の買い手の9割が日本であるということです。

つまり、国内資本が国債のうちのほとんどを消化しているということ。

財政の悪情報が出たときに、外国の投資家に一斉に投げ売りされるというようなリスクもないため、弱材料になりにくいのです。

日本の財政状況については、以下の記事で扱っています。

 

 

国際収支

この項目が一番直感的に理解しやすいかもしれません。

国際収支は、「通貨の需給関係」を表していると考えることができます。

例えばモノやサービスの需要が増えることでその値段が上がっていくように、国際収支の変動によって“通貨”の価値が変化していくのです。

 

国際収支とは、国境を越えて資金がどう流れたのかということを表します。

大きな割合を占めるのは貿易による財の移動です。

例えば日本の輸出額が輸入額を上回れば、貿易で儲かったということになります。

これが貿易黒字です。

貿易は基本的に基軸通貨であるドルで支払い、ドルで受け取ることになります。

貿易黒字国である日本は、輸出額のほうが大きいため毎年多くのドルが流れ込みます。

これを日本円に換えて使用するので、常に円は需要超過の状態にあります。

つまり、国際収支でいえば、日本円は常に買いの圧力にさらされていることになります。

 

対して貿易赤字国であるアメリカは、毎年ドルが外に流出しています。

しかし、それを補って余りある海外からの投資によってドルの流入があります。

そのため、国際収支全体ではドル安の要因にはなっておりません。

 

 

政治要因

財政収支の項目でも触れましたが、政府の方針により財政政策が決まり、為替相場に影響を及ぼします。

また政府、金融当局(日銀+財務省)は為替レートを安定的に保つというミッションがあります。

経済活動や国の財政に影響を及ぼすほどの急激な為替変動は避けなければなりません。

そこで行われるのが、「為替介入」です。

 

日本においては、財務省権限において日銀が指示を受け、通貨間の売買を実行して為替の平衡操作を行います。

 

しかし、アメリカにおいては為替介入の意義は疑問視されています。

近年の為替市場は個人投資家も含めて、参加者が十分に増えています。

特に基軸通貨である米ドルにおいては巨大な市場が形成されています。

インターネットによる情報共有によってあらゆる事象が為替相場へ瞬時に反映される時代に、政府の介入による操作は効果がないとみられているのです。

 

 

地政学的リスク

戦争・テロなどの有事の際には、当事国の為替市場を含む経済活動全般が正常に機能しないことが懸念され、その国の通貨に売り圧力がかかります。

トラブルが起きている最中その国に資産を預けるのは誰にとってもリスクであるため、他に資産を逃がすのです。

 

これがあくまで原則なのですが、国家の特性上これが当てはまらない場合があります。

典型例が日本です。

 

ドル円相場で大切な概念として、「有事の円買い」を学ばなければなりません。

良く言われるのが、世界情勢に不安が起きると安全資産として日本円が買われるという“リスクオフによる円高”です。

日本は経常黒字国(貿易で儲けている)であり、かつ対外純資産も残高が世界一です。

有事の際には海外にて保有している外貨建て資産を売り、国内へ戻すという避難策をとることができます。

このため円通貨が致命的に暴落することは、短期的には考えにくく、情勢が不安なときには資産の避難先として日本円が選ばれるのです。

 

しかし、これだけでは説明できないのが「北朝鮮リスクによる円買い」です。

北朝鮮のミサイルが日本上空を通過したときにも、為替相場が反応して円が上昇しました。

 

リスクにさらされているのは日本なのに、なぜ円が買われたのか?

これはもちろん、“円が安全資産だから”と投資家が盲目的に買っているわけではありません。

理由は「円キャリートレードのポジション解消」です。

 

キャリートレードとは

低金利の通貨を借りて、その通貨で高金利の通貨やその他金融資産を購入して運用すること。利ざやで儲けることを目的としたトレード。

 

円は低金利で安定した通貨のため、ヘッジファンドがキャリートレード対象として好みます。

ヘッジファンドがまず円を借りて、為替市場で「円売り・外貨買い」のポジションを建てます。

この状態で地政学リスクが高まる事象が起きると、為替リスクを縮小するため、ヘッジファンドは一斉に先ほどの逆取引を仕掛けるのです。

つまり、リスクオフ(市場に高リスクの事象が生じ、リスクを抑えようとする投資家の動き)になると「円買い・外貨売り」の取引が活発化するのです。

つまりこの場合の円買いは、円の信用によって買われているのではありません。

エクスポージャー(変動リスクにさらされている資産)を閉じるために、マイナスのポジションが戻されているだけなのです。

 

このように、地政学リスクがどのように為替相場に影響を与えるかを理解するためにも、各通貨の特徴を押さえることは大切です。

 

テクニカル要因

最後に為替チャートの読み方を押さえれば、為替相場の基礎を学んだといえるでしょう。

投資家はそれぞれの信念に則ってトレードをしています。

ファンダメンタルズを重視するものもいれば、チャートの動きのみを見てトレードを行う投資家も数多く存在します。

いずれにしても最終的には少なからずチャートを見ながら注文を入れることになるため、テクニカル要因を学ぶことには意義があります。

 

 

投資家心理として、直近の最低値・最高値はトレードの参考になりやすいです。

例えば直近の最低値が10、最高値が30とします。

チャートが20から10に近づいていく相場のとき、投資家は直近の最低値である10を意識して、「10は割らないだろう」などと考えて10で買いを入れます。

上昇局面も同様に、直近の最高値である30は超えないだろうと30付近で一斉に利確する傾向が生まれます。

要は、心理的に最低値では上昇圧力がかかり、最高値では下降圧力がかかるのです。

この下限のラインをサポートライン(下値支持線)、上限のラインをレジスタンスライン(上値抵抗線)と呼びます。

これらにより10~30のレンジで安定しやすい相場が形成されるのです。

 

これらのラインを一度超えることがあれば、相場は堰を切ったようにそのまま下降(上昇)します。

「ラインを超えた」という1つの事実が投資家心理を動かし、極端な行動に走らせるのです。

 

また、サポートライン・レジスタンスラインとともに意識されやすいのは、キリの良い数値です。

100、110、120などの丸まった数字、ラウンドナンバーは投資家も強く意識するため、これらの数値で出される注文は非常に割合が高くなります。

 

このようにチャートの特徴を知って相場に臨めば、ただの折れ線グラフに隠されている投資家の心理がわかるようになるかもしれません。