アメリカの雇用統計が世界一重要な経済指標であるワケについて。

 

sa-2
こんにちは。

sa-2(@sa2fdi)と申します。

 

自己紹介はこちらから。

 

毎月第一金曜日に発表される米雇用統計。世界で最も注目され、相場を荒らすこの指標が示唆するものを理解したいと思います。

 

 

雇用統計の概要

アメリカの労働省が毎月発表している雇用情勢に関するレポートです。

非農業部門雇用者数・失業率・週労働時間・平均時給など、10数個の項目について調査結果が報告されます。

現在最も世界で注目されている経済指標であり、株式市場・外国為替市場などのマーケットはこの雇用統計の発表に大きく揺さぶられることになります。

もちろん発表前にも、その事前予想に市場が反応して、多大な影響を与えられることになります。

 

 

中でも重要視される2大項目は以下になります。

 

非農業部門雇用者数

 

アメリカはご存知のように移民大国であり、世界中から働き手が集まってきます。

世界一の経済大国アメリカで、どれだけの人が働いて給与を得ているかを示す指標となります。

給与を安定的に得ている人が増えれば、それだけ消費にまわされるおカネが増えるということになります。

アメリカのGDPを支出の観点から見ると、個人の消費が7割を占めています。(日本はおよそ6割です。)

雇用の増加が、アメリカのGDPを成長させるかどうかに直結しているということになるのです。

 

 

GDPは3つの観点から導き出すことができ、それら3つの値が等しくなることを三面等価の原則と呼びます。

以下は「経済学としてのオリンピック」からの引用です。

 

GDPは生産、分配(所得)、支出3つの要素それぞれの面から見ることができます。

生産とは、ある期間に生み出された商品・サービスの付加価値の合計です。付加価値とは、簡単に言えば完成品と、元となった材料の価値の差です。この付加価値の合計がGDPとなります。

分配(所得)とは、ある期間に生産をもとにして得られた付加価値(=収入)が、様々な経済主体に行きわたることを表しています。収入は、生産をする雇用者側の利益、従業員側の給料、政府に支払われる税金などに形を変えながら、分配されていくのです。

支出とは、各経済主体に分配された所得がどのように使われたのか、その行先から考えるというものです。

“生産”で生まれた付加価値が、所得として“分配”され、所得をもとに“支出”される。これら3つの要素が、値として等しくなるという原則を、三面等価の原則と呼びます。

 

アメリカの雇用形態について

アメリカは日本のような終身雇用が中心ではなく、業績主義の雇用形態となっています。

業績が良いときは人をどんどん増やし、業績が悪ければ躊躇なくリストラしていきます。

転職のハードルも日本に比べて低く、流動性の高い雇用体系です。

以上の理由から、雇用者数は米国経済をリアルタイムに表す指標であると各方面に注目されているのです。

 

 

FRBが金融政策の指標とする「非農業部門雇用者数」

 

FRBは米国の中央銀行に相当する機関です。金融政策の決定の権限があり、FRBが金利を誘導することで米国の金利が変動します。

FRBの目的は「雇用の最大可・最適化」「物価の安定」の2つです。

このように中央銀行の役割を果たす機関が目指すものとして「雇用」が含まれるのは珍しいことです。

日本をはじめとした他の中央銀行が行う金融政策は「物価の安定」に主眼が置かれています。

FRBは雇用を最大可するような金融政策を行うため、当然ですが雇用統計を参考にします。

雇用統計の結果次第で米国の金利が決定されていくので、世界の市場が注目をしているのです。

非農業部門雇用者数が良い結果のとき、市場はアメリカ経済が順調に発展していると判断します。

景気が良ければ、企業の業績・給料が順々に上がり、物価も上昇します。

インフレ気味の市場では、FRBが利上げをすることによって金融引き締めを行います。

市場に流れるおカネを減らし、インフレにストップをかけて市場を安定させようとするのです。

利上げをすれば、外国為替市場の投資マネーは、価値の上がった米ドルに集中していきます。

「非農業部門雇用者数」の結果が良いときはドル高方向へ市場が進む、ということです。

 

非農業部門雇用者数の増加には一定の目安があります。

毎月20万人以上の増加があれば、アメリカ経済が成長する傾向とみられ、景気が良い証拠とされます。

 

 

失業率

 

文字通り失業している人の割合を示します。

米国では失業率5%が完全雇用と言われており、この割合まで失業率を下げることを政府は目指しています。

この5%は、自分の意志で仕事を辞めて転職活動している人などです。

失業率は、非農業部門雇用者数と並んで注目される経済指標です。

しかしこれらは、しばしば異なる結果を示すときがあります。

そんなときに、より重要視されるのは非農業雇用者数です。

失業率は一般家庭6万世帯から情報を収集して出している統計値であり、景気の実態から少し遅れて変動していくという特徴があります。

これに対して非農業部門雇用者数は、給与支払い帳簿を各事業主体から集めて集計しています。

その数なんと約40万ほど。

これは経済指標の情報サンプルとしては他の比ではないほどの多さです。

景気にリアルタイムに反応し、統計的にもかなり信頼の高い指標であると言えます。

 

 

米雇用統計が世界一の経済指標である理由のまとめ

 

✔米国が世界最大の経済大国であること

✔雇用の変動が、GDPの7割を占める個人消費を左右すること

✔米国の雇用体系は流動性が高く、雇用者数が景気に敏感に反応すること

✔FRB(米国の中央銀行)が「雇用の最大可」を金融政策の目的としていること

✔統計値としての信頼性が非常に高いこと

 

毎月発表される世界一の経済指標、米雇用統計。

これに注目することで、付随して動いていく世界経済についても一つの視点を得ることができるのではないでしょうか。

 

23歳の筆者が今、一番伝えたいこと。

仮想通貨を自分の中でどう整理つけるか、答えを出せていない人は是非読んでください。

資産運用と経済の観点から、仮想通貨について考えています。