ビッグデータを取り巻く“大きな力”。―公取の独禁指針・個人情報保護法改正・情報銀行―

 

sa-2
こんにちは。

sa-2(@sa2fdi)と申します。

 

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ビッグデータ時代は足音を立ててやってきました。政府が見せたいつになく本気の対応は、日本をもう一度最先端の国へと導くのか。その挑戦の軌跡をたどりたいと思います。

 

ビッグデータとは

 

単に大容量のデータを指すわけではありません。大容量であることは前提として、様々な種類・構造を含むために単一的に扱うことのできない、非定型的データをビッグデータと呼びます

これまでは複数の変数を持っていたり複数の階層を持つデータ群を上手に取り扱うことができませんでした。

近年、AIや計算機の発達により複雑なデータの中にも一定の規則性を見出し、適切に組み立てることで「有益な情報」に読み替えることができるようになってきました。

そこで、これまでは活用できていなかったビッグデータをフルに活用し、様々な分野に活かそうという動きが生まれます。

世界中の企業が我先にとビジネスに繋げて覇権を取り合う、いわばビッグデータ戦争の時代が訪れたのです。

 

以下に、ビッグデータに関する現代の潮流を紹介していきます。

 

 

公正取引委員会が出した新たな指針、“ビッグデータに対する独占禁止”。

 

ついに山が動いた、といったところでしょうか。2017年6月、公取委がビッグデータに対する独占を防ぐため新たな指針を打ち出しました。

近年のテクノロジーの進化により実践的にビッグデータを扱えるようになってきたことを踏まえ、企業活動の重要な資源の一部としてビッグデータを認めるという判断のようです。

他の様々な資源と同様に、消費者に不利益を生じさせるような協調的な寡占・独占を明確に禁じるという考えを発表しました。

 

ポイントは「データ収集の手段」「データの囲い込み」です。

 

データ収集の手段について
例えばSNS最大手のFacebookは、サービスの利用に際して個人情報の提出を求めます。これは、SNS市場での高いシェアを持つ立場を不当に利用している可能性がないのか。こういった視点から公取委の調査が入るようになるということです。

他にも、強制的にデータを提出させるようなビジネス上の関係を持つ企業があるとします。このような場合、データは物資ではないことから扱いが難しく、見逃されてきたという問題があります。これからは、データであっても他の物資と同様に重要な経営資源であるという観点から、不正な取引が起こらないよう厳しいチェック体制が引かれていくことでしょう。

 

データの囲い込みについて
公取委は独占を防ぐために重要な要素として、新規参入を防ぐような行為を禁止しています。例えば、業界大手の企業が裏でこっそりと取り決めをし、その業界において事業を始めるために必要な情報を一切外に漏らさないようにすれば、新規参入は非常に難しくなります。

この取り決めのいやらしいところは、一見独占が分かりづらいところにあります。(各々の企業が自社の情報を漏らさないようにすること自体は当然のことであるためです。)ビッグデータをはっきりと企業取引の資源であると定めることによって、独占禁止法を警戒して企業間の不正が難しくなることが期待されます。

 

 

個人情報保護法の改正

 

2017年5月、個人情報保護法が10年以上ぶりに大幅な改正が決定されました。

個人情報という言葉が流行り始めたのはほんの数年前のようにも思えますが、テクノロジーの進化とともに「個人情報」の姿は変化し続けています。

時代にそぐわなくなってきた法律を適正化させた今回の大幅な改正。その具体的な内容に迫ります。

 

今回の改正には2つのベクトルがあります。1つは、データの扱いが技術的に向上した現代に合わせて、情報活用を促進するための規制緩和です。

 

「匿名加工情報」

これは企業が手に入れたデータに対して、十分な匿名加工を施す場合にのみ、同意なしに第三者にデータを提供することができるというものです。

当たり前のことのようにも感じますが、今まではこれが禁じられており、ビジネス上の大きな制約となっていました。

 

一次情報が個人情報というだけで、そこから得られる有益な情報を外に出して利用することができなかったのです。もちろん、十分な匿名加工を施す、ということはそこから個人の情報にたどり着くことはできないのにも関わらずです。

これは時代にそぐわないということで、はっきりと「匿名加工情報」という区分けを作ることになりました。

これにより、データの有益でかつ安全な取引が行われるようになったのです。

 

もう1つのベクトルは、テクノロジーの向上による、個人情報の範囲の拡大です。

今までは不明確で個人情報に及ばなかったデータに関しても、技術の進歩によって識別可能となるものに関しては、明確に個人情報であると定義付けたのです。

考え方は、次のようになります。

 

「個人識別符号」

これまでの個人情報の考え方は、特定の人物に直接紐づく情報、というものでした。

それは本名や、または住所・電話番号等の直接本人を表しうる情報に限られます。

今回の改正によって、直接本人に紐づく情報でなくとも、「個人識別符号」であれば個人情報であるということが明確になりました。

個人識別符号とは、例えば知人が見たり、科学的に分析すれば本人であると特定できるような情報のことです。

名前や電話番号等の情報でなくとも、知人が見れば判別できる鮮明なカメラの映像などが今後は個人情報として扱わなければならなくなったのです。

それは顔だけに当てはまることではありません。声や指紋、時には歩き方でさえも、現代においては個人の特定に十分繋がるとして、個人情報の仲間入りとなったのです。

 

個人識別符号の考え方によって、個人情報として扱う絶対量が増え、ビジネスへの影響を心配する声もあります。

しかし、個人情報の定義を明確に定めて厳しく守ることによって、「匿名加工情報」として逆に堂々とデータの活用ができるようになったのは間違いありません。

これからも時代に沿った法改正をコンスタントに検討していくことでビジネスを適切な形に保っていくことが重要になるでしょう。

 

 

新時代の常識、情報銀行とは

 

情報銀行という概念はご存知でしょうか。個人が自らのデータの扱い方を真剣に考えなければならない時代が訪れています。

データを取引対象として扱うことが当たり前となる世の中の、一歩先を考えていきたいと思います。

 

ビッグデータが取り沙汰されていますが、元をたどればその情報は結局消費者個人のものである場合がほとんどです。

そこで、企業にデータを取られるばかりでなく、初めから信頼できる機関に自身のデータを預け、データを求めている企業に対して自分の代わりに運用してもらうという仕組みが生まれつつあります。

これが情報銀行のコンセプトです。情報銀行にデータを預け、最初に取り決めた条件設定に基づいて、企業にデータを貸し出してもらいます。

そこで得た対価の一部を収益として受け取ることで、個人が自らの情報を、資産として運用していることとなるのです。

 

運用するデータの種類は多岐にわたります。電子マネーの使用履歴・スマホのGPS記録・スーパーのポイントカード利用歴など、考えうる全ての情報が対象となります。

言い換えると、全ての情報に価値がある時代になった、ということです。もちろん情報の公開範囲は自分で選べます。

この種類の情報はこの範囲まで、この企業にだけ、などの条件を付けることで自分の情報があらぬところで悪用されることは防ぎながら、対価を受け取ることができるのです。

 

このように個人に情報管理の主導権を与えることによって、より積極的なデータ活用社会が育ちます。

今までは「個人情報」と言葉に少なからず悪い印象がありました。

これからは、自ら管理することによってクリーンにデータを活用する時代が、情報銀行を通じてやってくることでしょう。

 

まとめ

ビッグデータにまつわる主要な流れを見てきました。共通しているのは、データを重要な資産とみなす意識の変化です。

いち早くこの考え方を文化として根付かせることができれば、日本のさらなる成長が望めるのではないでしょうか。

 

23歳の筆者が今、一番伝えたいこと。

仮想通貨を自分の中でどう整理つけるか、答えを出せていない人は是非読んでください。

資産運用と経済の観点から、仮想通貨について考えています。