“AIは一体誰が生み出したのか?”―仕組みと起源から考えるブレイクスルー―

今、AIに関するニュースが世間に取り沙汰されています。その加熱ぶりは異常といってもよいくらいであり、時にAIが人間の頭脳を置き換えるであるとか、全知全能が達成されるなどといった現実味の無い話まで登場してきます。今やあらゆる業界に必須のシステムとして持て囃されているAI。そのAIについて、仕組みをきちんと理解することで、概念の認識のずれをなくし、現実に何が起きているのかを正確に把握していきたいと思います。

 

 

 

 

 

機械学習

 

まずAIとは、機械が人間のように思考を持つようになることではありません。突き詰めると、数学的な分析ツールであると言えます。中でも根本となる「機械学習」の仕組みから見ていきます。

 

機械学習とは、その名の通り機械に学習させることです。たくさんのパターン学習をさせ、答えを導き出す。そのために人間が教師となり、課題を与え、正解を提示していくという手法をとることによって、機械に分析のポイントを学ばせるのが機械学習です。

 

具体例を一つ。野鳥の分析をテーマとして取り上げます。様々な野鳥画像の中からインコを見つけ出すことを課題として設定します。

このとき、人間からAIに対し、大量の野鳥画像と、その一枚一枚に対してインコであるかそれ以外であるかの情報をつけます。

さらに、インコの部位ごとの特徴を機械に入力します。分析材料+正解を提示するのです。すると機械は、大量のインコとそれ以外の画像を比べて、羽・色・くちばし・足など部位ごとの特徴を比較し、差異の度合いを判断していきます。

そうして学習させた機械に、新しい野鳥の画像を与えると、その画像がインコであるかそれ以外であるかを自分で判断し、正解を導き出すのです。

 

これが機械学習であり、全てのAIはこれの応用であると言えます。例を挙げると、メールを受信したときに自動にスパムメールを削除する機能。

Facebookの、写真から人間の顔を認識する機能なんかも当てはまります。もちろんyesかnoかの課題ばかりではなく、連続値を求めるということを機械に担当させ、ビジネスに活かすことも現代ではごく普通のこととなっています。

不動産の適正価格算出であるとか、天候の予想などがこれにあたります。

 

ここまでの応用をしても、根本の仕組みは分析材料と正解を与え、人間が教師となり機械に学習させるということです。その意味で、人工知能という立派な訳はついているものの、所詮は分析ツールの一環に過ぎないということもできます。

 

ではなぜ、ただの分析ツールであるAIがここまで世間を騒がせるようになったのか?

この問いに、理路整然と答えられる人はおそらく少ないのではないでしょうか。次の項目で、AIに起きたブレイクスルーを見ていきます。

 

 

 

 

深層学習/ディープラーニング

 

ディープラーニングという言葉を聞いたことはあるでしょうか。深層学習と訳されるこの言葉は、度々ニュースでも登場します。

Googleの「アルファ碁」が、2016年に囲碁の世界チャンピオンに勝ったことで一躍名をあげた機械の学習手法です。詳しく特徴を説明します。

 

先ほど説明した機械学習は、人間が教師となって、正解とそれにたどり着くための特徴などを入力する必要がありました。深層学習という手法ではその必要がありません。

正確に言うと、正解のないものを分析するために深層学習という手法が誕生したのです。

 

先ほどのインコの例に当てはめます。深層学習のできる機械に、大量に画像を投入すると、機械が勝手に野鳥の部位ごとの特徴をまとめていきます。

部位ごとの判別ができるようになれば、次は少し範囲を広げ、部位の組み合わせとしての特徴を学び始めます。最終的には人間からの判断材料の投入なしに、全ての野鳥のグルーピングを終えてしまいます。

このように、正解どころか、判断の方向性ですらも人間のヒントを必要とせず、機械の中で完結させてしまうのが深層学習/ディープラーニングの最大の特徴です。

大量のデータの中を泳がせておけば、あらゆるデータの組み合わせを360度全方向的に試しながら、目指すべき方向性を徐々に見つけ出していくのです。

 

深層学習は、人間でも正解の分からないもの、最適解が見つけだせていないものの研究として使用されます。

例えば、将棋であれば「棋譜を大量にインプットする」という作業だけ人間が行えば(もしくは深層学習ができる機械同士で延々と将棋を指し続けさせれば)、最終的には「どのように指せば勝てるのか」を学びだしていくのです。

 

 

ブレイクスルーはいかにして起きるのか

 

さて、ここで疑問が浮かびます。なぜディープラーニングが今になって取り沙汰されるのか。これはそもそもコンセプトとして全く新しいものであるのか。

 

 

結論から述べると、深層学習という手法は、コンセプトとしては歴史の深いものになります。

パターン認識としての深層学習は古くから研究しつくされており、そのアイディア自体に、革新的な変化がここ数年で起きたという事実は全くないのです。

 

深層学習のブームが起きている理由は、非常にシンプルなものです。計算機の機能が発達したこと。

それだけ?と思われるかもしれませんが、根本的にはこれだけなんです。深層学習には、「最も正しいと思われる方向性の模索」に、途方もない計算量が必要となるためです。

 

長い歴史の中で深層学習の研究は、その実現の難しさから何度も下火となっています。2010年を過ぎるあたりになってようやく計算機の発達によって実現可能なものとなり、各機関がこぞって開発に乗り出したのです。

歴史を知る研究者はこう言います。「そんなものは、昔の研究の焼き回しでしかない。評価を受けるのはコンセプトを作り出した我々である。」確かにその通りかもしれません。

私は、AIのこの現状はこんな風に表現できるんじゃないかと思います。

【コンセプトとしての科学に、テクノロジーとしての科学が追いついた。】

さらに俯瞰的に見ると、「深層学習のコンセプトを生み出したもの」「計算機を開発・改良したもの」「時代の流れを読み、深層学習の実用化を目指したもの」の三者に分かれるのではないでしょうか。

このような枠組みは、他の技術革新にも当てはまるものと考えることができるかもしれません。

 

まとめ

個人的な意見ですが、新聞によく登場するAIの仕組みを学び、その重要性を理解したとしても、本当に世の中に起きていることを学べているとは思いません。

大切なのはなぜそれが起きたかということ、その情報をヒントにしてこの先どうなるのかを考えられる力を身に着けることではないでしょうか。

今回AIを学習することで、ブレイクスルーの形として1つ新たな視点を取り入れることができました。この枠組みを、他の業界を見ていく際に役立てることができればと思っております。

 

23歳の筆者が今、一番伝えたいこと。

仮想通貨を自分の中でどう整理つけるか、答えを出せていない人は是非読んでください。

資産運用と経済の観点から、仮想通貨について考えています。