初心者でも絶対にわかる「DAOの実用例とEthereum(イーサリアム)」「The DAO事件の衝撃」

 

sa-2
こんにちは。

sa-2(@sa2fdi)と申します。

真面目な記事を挙げていますが、実は最近Youtuberになりました。笑

借金して仮想通貨を買った僕が、Youtuberになったワケ

是非一度ご覧ください。

自己紹介はこちらから。

 

 

仮想通貨Ethereum(イーサリアム)を理解するには、DAOという概念に触れなければなりません。

そしてそのDAOをめぐって、仮想通貨界で最もアトラクティブで刺激的な事件が起きたことをご存知でしょうか。

ブロックチェーンの未来を象徴するDAOについて学んでいきましょう。

 

 

DAOとは? 初心者でもわかりやすく解説

 

DAO(Decentralizad Autonomous Organization)は、日本語で「自律分散型組織」です。

以下の記事でイーサリアムのメインの機能としてスマートコントラクトを紹介しました。

 

 

スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上に契約を組み込み、そこに記述された条件を満たせば自動で取引が実行される仕組みのことです。

このスマートコントラクトを基幹システムとして活動する組織をDAOと呼びます。

つまり、人に権限を持たせず、全ての分岐判断をスマートコントラクトに託すということになります。

さて、これがどんなゲームチェンジとなるか、想像してみてください。

ある組織に属するとき、あなたの働きが組織にとっての利益になります。

その利益はほとんど全ての場合、上から順に配られていくものです。

まずは株主に配当され、次は役員報酬に消え、徐々に下っていく中であなたの手元に残るのは、去年とほとんど変わらない月給です。

出資者への分配や組織運営のコストのために利益の大部分が消えていくのは、もはやこれまでの資本主義社会では当たり前のことなのです。

しかし、DAOには権限を持つ「人」がいません。

これにより、誰にとっても公平で、中間搾取のない効率的な組織が出来上がることになります。

DAOはイーサリアムなどの、スマートコントラクトを実装できるプラットフォームをベースとして構築することができます。

 

「Code is Law」という概念について。

DAOの中には、経営者もいなければ株主のような存在もありません。

一旦開発されれば、管理者がいなくてもプログラムコードによって動き続きます。

そこに在るのは、平等な立場の参加者とスマートコントラクトによって執行される厳格なルールのみなのです。

管理者がいなければ何をしてもいいのか、という話ですが、実際に何をしてもいいのです。

性悪説に基づいても、スマートコントラクトが適切に処理をするため、何も問題ありません。

前提として、「こうしたらこうなる」という場合分けが全てコードで組まれています。

これが「自律分散型組織」たるゆえんです。

DAOの中では、コードこそが法律であり、この未来のコンセプトが世界中を熱狂させているのです。

 

 

さて、実際にDAOでどんなことができるのか見ていきましょう。

 

 

The DAO事件の衝撃

 

2016年から2017年はICO(Initial coin offering)がブームになっていました。

トークン(ある企業やプロジェクトのために発行される特定用途のコイン)を株式のように投資家に売り出し、資金調達する方法です。

2016年当時過去最大の資金調達に成功したのが、イーサリアムのプラットフォームをベースとした「The DAO」プロジェクトでした。

その名の通り、これからのDAOを象徴するような組織です。

内容は、「自律分散組織による投資ファンド」です。

通常の投資ファンドは、参加者が胴元に資金を提供し、手数料を支払って投資先を選んでもらうという形になります。

The DAOは参加者自身の投票によって投資先が決定されます。

参加者によって提供される資金を集め、投票結果によって投資し、その報酬は投資額に応じて参加者に再分配されます。

もちろんスマートコントラクトによって契約内容が自動で実行されていくため、2重投票など不正の介在余地はありません。

純粋な市場原理にもとづいて、手数料なしでファンドに参加することができるのです。

 

 

この革命的なシステムは瞬く間に一世を風靡し、約150億円もの資金をほんの2週間で調達することに成功しました。

そして、実際に稼働し始めておよそ一カ月、またしてもThe DAOは世間の注目を集めることとなります。

The DAOのプログラムに脆弱性が発見され、ハッカーに調達金額の3分の1ほどの金額である約50億円相当のコインを盗まれてしまったのです。

事件の説明のためにThe DAOの2つの機能を紹介します。

・投資先の投票結果に納得いかないなどDAOの運営に賛同できないとき、提供していた資金をDAOから切り離して新しいDAOを作成することができる「Split機能」。

・DAOの運用報酬を、それぞれの参加者の提供資金に応じて分配する「報酬分配の送金機能」。

このうち、2つ目の送金機能のプログラムに問題が発見されました。

本来、1度の要求に対して1回の適切な送金がなされて完了するはずが、1度の要求に対して何度も送金することができると発覚したのです。

そして、ハッカーはこの2つの機能を利用して、次の流れで50億円相当の資金を送金することに成功しました。

 

引用:https://medium.com/blockchain-research-institute/dao%E3%81%8B%E3%82%89%E5%A4%B1%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%81%9F360%E4%B8%87eth%E3%81%A8%E6%AE%8B%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E6%BF%80%E5%8B%95%E3%81%AE27%E6%97%A5%E9%96%93-9b078cbd54e6

 

(*問題があったのはThe DAOであり、イーサリアム自体に欠陥があったわけではありません。)

 

The DAO事件が面白いのはここからです。

ハッカーが利用したSplit機能には、次のようなルールが定められていました。

「Split機能を使って新しいDAOに送金した後、27日の間そのアドレスからはコインの移動ができない」

不要な分裂を繰り返してThe DAOが機能しなくなることを防ぐ目的があります。

このルールによって、27日間の猶予ができることになったのです。

選択肢は、この事件を受け入れるか、もしくはイーサリアムのコミュニティで結託してこのトランザクションをなかったことにするのか。

確かに、取引承認者が結託してこの取引を承認せず、チェーンをつなげなければ窃盗自体がなかったことになります。

これをハードフォークといい、ブロックチェーンの分裂などと表現されます。

(”取引承認者”、などにつまずいた方。ブロックチェーンの仕組みや定義については、こちらから。)

しかし、この恣意的な取引承認は非中央集権の思想から大きく乖離するものであり、相応の反発もありました。

最終的にコミュニティの投票でくだされた決断はハードフォークでした。

これにて50億円相当の資金は無事に元の保有者のもとへ返却されたことになります。

 

 

さて、The DAO事件はこれで一件落着したわけではありません。

このハードフォークはパブリックチェーンの価値を損なうものだという声が少なからずありました。

ハッカー本人ですら、ある意味「Code is Law」を体現しただけとも言えます。

The DAO事件は、コードにそもそもの欠陥があっただけで、プログラムは正常に機能し続けていたのです。

ハッカーはコードに基づいてできる機能を利用しただけだと主張しています。

そんな中、ハードフォークに反対する一部のマイナー(取引承認者)がハードフォーク前のチェーンを使い続け、結果としてイーサリアムクラシック(ETC)が誕生したのです。

この事件は、「ハッカーとDAO」、「中央集権と非中央集権」、「ETHとETC」など多様なテーマで語り草となり、チェーンだけでなく人々の記憶にも刻まれることとなりました。

 

 

 

DAOの未来:ギグエコノミーを加速する!

 

勘違いしてはならないのが、DAO自体になんら問題はないということです。

あくまでThe DAO事件はコードの欠陥とハッカーの問題です。

DAOは、ギグエコノミーを加速させると私は確信しています。

ギグエコノミーとは、インターネットを通じた単発の仕事で生計を立てることが当たり前にできるような経済社会のことを言います。

具体的には、Uber等に代表されるシェアリングサービス等をイメージしてください。

 

タクシーの運転手は今まで、多様な運営会社の従業員となることで給料を得ていました。

Uberの登場によって、雇用契約を結ばずとも、同等の価値が提供できる世の中に変わったのです。

この流れが加速すると、今度はUberという仲介すらも排除するかもしれません。

結局のところUberのドライバーは、突然の報酬の減額など、Uberからの支配を感じていました。

そんな不満を打ち消すかのように登場したのが、イーサリアムをベースとしたDAO「Arcade City」(https://arcade.city)です。

このサービスを利用すれば、ドライバーは自由に金額を設定して、ユーザーに提案することができます。

 

 

その他にも、イーサリアムを活用したDAOは続々と登場しています。

(というより、現状まともに動くサービスはイーサリアムベースのものしかありません。)

例えば、「Colony」(https://colony.io)。

これはフリーランスで生計を立てている人が、仲介に縛られることなく「自律的に」仕事を受発注できるというものです。

これもギグエコノミーの一部であり、自らのスキルを他人にシェアするシェアリングエコノミーです。

例を挙げれば切りがありませんが、仮想通貨イーサリアムはより自由な社会を作り上げるプラットフォームとして社会を変えていくことでしょう。

 

 

 

 

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で