アリババの台頭が「銀行不要論」を裏付ける。電子決済が中国に何をもたらしているのか。

 

sa-2
こんにちは。

sa-2(@sa2fdi)と申します。

 

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フィンテックの浸透に伴って、銀行の決済サービスは一般人にとって無用の長物となっていくようです。最も早くその兆候が表れているのが、我が道を行く国・中国です。

 

アリババの電子決済

 

アリババが2003年にサービスを開始したアリペイ(オンライン支払サービス)が中国で猛威を振るっています。

 

 

アリババとは

アリババは、企業間のオンラインマーケットを運営しているIT企業です。

グループで電子商取引サイト・検索サイト・電子マネーサービス・ソフトウェア開発を行っている、アジア最大の企業となります。

1999年の創業から破竹の勢いで拡大し続け、2007年には香港証券取引所に上場。

時価総額2兆円を超える、当時における史上最大のIPOとして世界中から注目を集めました。

アリババの会長は、グループのグローバル化に力を入れており、「Eコマースのインフラを世界中に構築し、小さい企業でもグローバルに活躍する機会をテクノロジーの力で達成する。アリババの流通額を2020年までに1兆ドルまで伸ばし、アメリカ、中国、ヨーロッパ、日本に次ぐ世界第5位の経済プラットフォームにする。

などと未来を語っています。

 

アリババはEコマースの覇者として長年君臨しています。

240もの国で、1500万以上もの企業がアリババのサイトを通じて企業間取引を行っています。

しかし、近年世間を賑わせているのは、このBtoB取引の仲介でなく、一般消費者向けのオンラインサービス・アリペイです。

アリペイはオンライン決済、実店舗でのスマホ決済、公共料金の支払いの際に利用されるサービスです。

利用可能地域は中国全土と、一部のアジアにも広がっています。

その規模に対して日本での知名度はさほど高くはありませんが、すでに日本の約2万店でアリペイのサービスが利用可能になっています。

日本国内で、日本人が誰でも利用するサービスになるのも近い未来のことかもしれません。

 

蝕まれる銀行の決済サービス

 

アリペイはコンビニからデパート、タクシー、レストランなど中国都市部では使えない店を探すのが難しいほどに浸透しています。

これに伴い相対的に減少しているのが、銀行の個人向け決済サービスのシェアです。

銀行が手堅く手数料で儲けられる引き落とし、振り込み、送金などのサービスの需要が減少し、収益源が目に見えて縮小しているのです。

各所に設置されていたATMも採算が取れなくなり、空港などを含むあらゆる場所から姿を消しています。

「中国から、キャッシュがなくなる。」

こう表現されるほどに、中国では電子決済サービスが身近に浸透しているのです。

 

 

アリペイの対抗馬は、SNS大手のテンセント

 

アリペイに唯一対抗しているのが中国のテンセントです。

中国版LINEであるWeChatを運営している、中国SNS最大手の企業です。

 

テンセントとは

テンセントは、アリババとアジアNo1の座を競いあっているIT企業です。

その主要な収益源は「ゲーム」と「SNS運営による広告」です。

ゲームに関しては、売上高で見ると世界最大のゲーム会社になります。

世界最大のPCゲームを運営しているのも、売上世界1位級のモバイルゲーム(日本でも有名なクラッシュ・オブ・クラン)を運営しているのも、テンセント傘下の子会社です。

SNSでは、中国国民ならだれもが利用するWeChatの運営をし、収益の柱としています。

 

アリペイの対抗馬となるのは、テンセントが提供するWeChatPayというサービスです。

名前の通り、スマホアプリのWeChatが母艦となっています。

アプリ画面のQRコードで支払手続きをするため、QRリーダーさえあればどこでも使えるという汎用性を持ちます。

日本でいう交通系電子マネーの決済サービスにも似ていますが、Suica等にはそれを読み取るFericaという機器を設置しなければならず、コストがかかります。

圧倒的な初期費用の安さからWeChatPayは瞬く間に中国全土に拡大しました。

 

アリペイと異なる点は、テンセントはSNSを母体として電子決済サービスを運用しているという点です。

アリペイはEコマースサイトを母体としています。

テンセントは、アリババが運営する、世界中で利用されているEコマースサイトでWeChatPayが使用できないという難点を抱えています。

しかし、ほとんど全ての中国人が利用するSNSプラットフォームを利用することで、アリペイ以上のアクティブユーザー数を稼ぎだし、ライバルとして台頭してきています。

それぞれのプラットフォーム、それぞれの強みを活かした戦略で、アリババとテンセントは中国モバイル決済の2大巨頭として競合していくことでしょう。

 

 

なぜ中国が最も進んでいるのか?

 

中国に住む人は、アリババとテンセントのサービスを利用すれば、財布を携帯する必要がない生活を送っています。

一般消費者の電子決済サービスにおいて、世界で最も進んでいる地域と言えます。

ATMの設置台数は減少し続け、それが銀行の決済サービス不要論を裏付けているのです。

なぜ中国でここまで電子決済が浸透したのか?

その理由は単純明快であり、日本のようにがんじがらめの金融規制に銀行が守られていないからです。

日本で同じように電子決済サービスを広めるには、金融庁へ何度も通い詰め、長い時間をかけて規制・法整備をしなければスタート地点にも立てないのです。

VALUという新興サービスが、金融庁に9カ月通い詰めてサービス開始にこぎつけたという話が記憶に新しいです。)

実質、銀行業界全体に新興サービスは潰されている状態とも言えます。

その点中国は政府主導で世界に通用する企業を作りあげようと必死になっています。

現中国政府の強い意向によって、より扱いやすい新興企業にビジネスチャンスが与えられるようになっているのです。

もっと言うと、テンセントが運営するWeChatも、LINEやFacebookなどが中国当局に規制されているからこそ広まっているモノです。

中国は、自国にさえ広めれば世界に通用する規模になる人口を持つ国です。

歪なやり方ではありますが、経済学的には効率的なやり方で自国の産業を守っているとも言えます。

 

日本がもたもたしているうちに、アリペイの決済サービスは確実に日本国内にも広まっています。

まだまだしばらくは、中国が世界経済の台風の目であり続けるように思います。

 

23歳の筆者が今、一番伝えたいこと。

仮想通貨を自分の中でどう整理つけるか、答えを出せていない人は是非読んでください。

資産運用と経済の観点から、仮想通貨について考えています。

 

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